本日は、フォレスト出版から2023年に出版されている、小林弘幸氏が著者である、「自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方」という書籍について、紹介しようと思います。
1.著者について
小林弘幸氏は、順天堂大学大学院医学研究科を修了し、ロンドン大学附属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任され、現在は順天堂大学医学部の教授です。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手等のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わられてきており、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」です。(一部本書より引用)
2.本書との出会いは、大きな書店で何気なく見かけたこと
今年の2月の話に遡りますが、リハビリも兼ねて電車に乗って隣町まで出かけ、大きな書店を巡った際に見つけた書籍になります。たまたまAmazonで電子版が半額になっていたので、書店では買いませんでしたが。。。でも、大きな本屋さんに行くと、自分の視野を拡げてくれるというか、予想外の出会いがあったりして好きですね。時間を忘れてずっと居られる空間です。
3.迷走神経がいかに重要な役割をしているかがわかる
本書を読めば、自律神経のバランスの大切さを学ぶことができます。大きく分けて自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、その中でも副交感神経を支配している重要な神経が迷走神経です。交感神経と副交感神経はアクセルとブレーキの関係で捉えるとわかりやすいですが、そのバランスが悪く、現代人はブレーキが弱く、アクセル全開で駆け抜けようとしているというのです。つまり、交感神経が過剰に働いているということになるので、副交感神経のスイッチを入れる必要があり、そこで迷走神経が活躍する必要が出てきます。重要なのは、交感神経と副交感神経のどちらも高いレベルで働いていつつ、活動的な時は交感神経がやや優位、リラックスしているときは副交感神経がやや優位という、微妙なバランスを保つ必要があるというのです。微妙なバランスというイメージとしては、シーソーのようなものだと、著者は言っておられます。
今回主役の迷走神経は、体の中心を貫いて張り巡らされているのですが、脳と内臓とのやりとりの直通回線であり、いわば高速道路なのだそうです。この高速道路とも言える迷走神経をメンテナンスする、気を配ることで、副交感神経をやや優位にさせて心と体をリラックスできるように導くことができるそうです。
では、迷走神経をどのように整えるかということですが、著者は腸のスペシャリストであることから腸と迷走神経の関係性から解説がされています。腸は内臓の中でも唯一、脳の指令がなくてもはたらくことができる器官ということで、迷走神経が脳と腸の情報伝達(脳腸相関)をスムーズにするカギを握っているのだそうです。この脳腸相関には、腸内細菌の存在が大きく影響しており、食生活が関係してくるのだそうです。この際に、腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のうち、善玉菌がやや優位であることがポイントになるそうで、交感神経と副交感神経の関係と同じく微妙なバランスが大事なようです。腸内細菌のバランスが整うと、迷走神経も整い出すのだそうです。要するに腸の調子を整えることは自律神経を整えることにつながるということです。今では当たり前のように聞く腸活ですが、水溶性の食物繊維(海藻、オクラ、モロヘイヤ等)をやや多めにとることが、迷走神経を整える腸活として本書ではおすすめされています。
また、腸との関係性のほか、迷走神経を整える呼吸法の紹介、睡眠の大切さ等についても解説されています。
呼吸法では、吸った時間の倍の時間で吐く呼吸法(1:2呼吸法)が紹介されており、迷走神経が整うだけでなく、腸のぜん動運動も活発になることが期待できるようです。
睡眠については、当ブログにおいて、他の読書記事や睡眠の記事でも触れているような大切さが解説されております。朝陽を浴びる、朝ごはんを食べるといった朝の過ごし方が良い睡眠をとるためには大切なポイントです。そのために夕方以降にカフェインの摂取を控えたり、夕方に居眠りしたりしないことが夜しっかり睡眠をとるために大切になってきます。また、寝る前のスマホやパソコン操作も睡眠にはよくありません。
その他に個人的に気になった点で、迷走神経を整える生活習慣として、片付けることも良いそうです。ただし、時間をかけすぎたり、ムキになってあちらこちらに手をつけるのはNGで、交感神経が過剰に刺激されてしまうそうです。最近は、断捨離をしているのですが、読書やブログの記事作りなど、いろいろ気力が湧かない時にリビングのこの一角だけ片付けたりした時は確かに心が穏やかになれた気がします。
4.すべて繋がる
いかがでしたでしょうか。体に不調を感じているようでしたら、自律神経が乱れているのかもしれません。手遅れになる前に自分で管理できるうちに、心と体のメンテナンスをして下さいね。
余談ですが、面白いなぁと最近感じていることがあります。うつ病になって以来、うつ病のことを知ろうとうつ関連の本をたくさん読んできました。また、睡眠障害もあることから睡眠に関する本もたくさん読んできました。さらに今後の自分はどうしていきたいかという点で自己啓発本も読んだりしてきました。そして、それら全てには「片付け」が絡んできているのです。自分が学び発信してきていることが、全て繋がっていることを実感しました。本は自分を成長させてくれるツールです。忙しく過ごしているとなかなか読書する時間はないのかもしれませんが、少しでもデジタルデトックスして、読書の時間を確保してみるのもオススメします。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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