本日は、ぶんか社から2018年に出版されている、ブリ猫。氏が著者である、「うつを甘くみてました」という書籍について、紹介しようと思います。
うつ病の大変さ・リアルがありました
本書は、漫画をメインに構成されており、また、擬猫化していることもあり、大変読みやすいです。うつ病患者で本も読めない状況に置かれている人でもこの漫画であれば読み進めることができるのではないかと思いました。
なお、内容的にはかなり刺激的だと思いましたので、うつ病の闘病の壮絶さを本当に知ってみたい人以外は気分を悪くされる可能性もあると思います。自傷行為や希死念慮といったワードに敏感な人は避けておいた方がいいと思いますが、うつに苦しんでいる人の一例として参考にできるところはあります。
私自身の場合、本書ほど発症の原因(本書では旦那さんの浮気が原因)が明確になっていませんし、出血を伴う自傷行為や119にお世話になるところまでいっていませんので、比較することに意味はないものの比較してしまうとすごい大変だったんだろうなと思います。比較することに意味はないと言ったのは、症状が人それぞれであることもあり、自分自身のうつ病と向き合っていくしかないと思っているからです。ただ、こういった苦しみを書籍化してくれていると、後からうつ病になった人たちの支えになってくれたりするのも事実かと思いますので、大変ありがたいです。本書はある意味で、「私はここまでひどくなくて良かった」と感じられましたので、ポジティブに捉えることに繋がりました。
また、本書では、うつ病患者本人だけでなくその家族の様子もよく描かれています。身内にうつ病者が出た際に家族はどのように接したらいいのか等、家族も思い悩むことがあるのだろうと思います。そういった家族の悩みについても漫画で学べますので、うつ病本人だけでなく、一緒に戦うことになる家族とはどういったものなのか知っていただき、病気への理解を深められるといいと思っています。一つ言えることは、患者もその家族もうつ病について学ぶことはある程度必要であるということです。
その他にも、本書では、支援制度(自立支援制度、障害年金等)のことにも触れられており、該当する場合もあるかもしれないため、参考になるかと思います。
正直、本書のタイトルにもあるように、うつを甘くみてた部分は私にもあります。風邪のように、明確にこれをやれば良くなるといったことがないのが厄介な病です。薬を服用しつつ、どうしたら良くなるのか自分なりの解決策みたいなものを見つけるために、自分と向き合って過ごしていくしかないのかなといった感じです。また、本書の最後で著者が、『分かったことはただ一つ「知らないことが一番怖い!!」』と述べているところは印象的であり、納得がいく部分でもありました。
最後までお読みいただきありがとうございました。