本日は、クロスメディア・パブリッシングから、2025年1月に出版されている、和田秀樹氏が著者の「仕事も対人関係も落ち着けば、うまくいく」という書籍について、紹介しようと思います。
1.著者について
和田秀樹氏の略歴は次のとおりホームページで紹介されています。
東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長、 立命館大学生命科学部特任教授 。
この他詳細は、リンクを貼っておきますね。多数の書籍を出版されていますし、YouTubeも解説されていますよ。
2.本書を手に取ったきっかけは、ジャケ買い?!〜はじめにを読んで〜
本書については、表紙を見て何となく気になったのがきっかけです。特になんか読みたい本ないかなぁと探している場合、表紙の絵というのは、自分にとって重要ですね。いくら中身が興味深いものであったとしても、出会わなければ意味がありません。そういった意味では、本に限らず、第一印象を与えるものは大事ですね。人間も同じで、第一印象で好感の持てる人は、その時点で得をしますよね。心理学的には「初頭効果」と言ったりします。異性を恋愛対象と見るかどうかって人それぞれの考え方はあると思いますが、見た目より性格が重要と言う人であっても、見た目で目に止まらなければ、そもそも出会わず、すれ違ってしまうこともあると思うのです。
話を本書に戻しますが、手に取ってみて、「はじめに」を読んだところ、緊張や不安といった感情を持ちやすい私にとっては心当たりのあることがいくつか書かれており、続きを読んでみたくなりました。
3.本の内容
本書のポイントして著者が挙げているのが、「緊張するか、緊張しないか」ではなく、その緊張が「どこからくるのか?」を見極めて、それに合わせた対策を考えることにあると、説明しています。
第1章 緊張する、焦る、不安になる...心の「仕組み」を知る
第1章では、緊張する、焦る、不安になる心の仕組みについて、10個に項目立てて説明されております。例えば、「少しくらい人に嫌われてもいい」とか「たまに失敗することだってある」と思えれば、緊張や不安を和らげられますし、不安や緊張は向こうから勝手にやってくるものでなく、自分の気持ちの持ち方次第で自由にコントロールできると知っておくことが大切と説明されています。
ただ、これがなかなか難しいと感じるのも私の正直な気持ちです。過去の経験上、顔色を伺って生きてきたため、嫌われるのが怖かったりします。また、失敗した後のことが怖くて、完璧とまではいかなくてもミスなくしっかり仕上げるか、始めからやらないかの2択で考えてしまったりします。結局は細かなミスは生じるもので、気にしすぎだったりすることも自分ではわかっていたりします。本書でも、二分割思考として取り上げられており、白黒、善悪、成功か失敗といった二者択一で判断していると、その我慢がストレスとなって、緊張や不安を誘発するそうです。
第2章 「思い込み」や「決めつけ」を捨てて慌てない心をつくる
第2章では、慌てない心をつくることにフォーカスし、12個の対策を示されています。これは意外と経験により、乗り越えてきた面はあるかと思いながら読んでいました。不安になるのは事前準備が足りないからであるとか、あらかじめ想定外の範囲を狭めておくとかですね。最終的に成功すればいいという発想に転換し、一度くらいの失敗はOKと考えることだったりすることを説明されています。
私の場合、大勢の前で話すような仕事は苦手ですが、繰り返しやることで、それなりにこなせるようにはなっていくものでした。ある程度は慣れていくことで克服できることはあると思いますが、得意な人に任せられるならその方がいいけどなと思ったりします。適材適所の方が効率的ですし、社員の心的負担も少なく感じます。一方でいろいろなことを経験することも大切かと思ったりします。経験することで向き不向きに自分自身が気づくことができるという側面もあるでしょう。
第3章 感情に振り回されない「自信」の育て方
第3章では、感情に振り回されない「自信」の育て方について、14個に項目立てて説明されています。その中の一つとして、「変えられるものに意識を集中することが、自分の感情に振り回されない「自信」を育てるための最初の一歩」と書かれています。
ここ数か月いろいろな書籍を読み漁る中で同じようなことを何度も目にしますが、「相手を変えようとすることは難しいけど、自分なら変えられる。変えられないものを変えようとしない。」ということには、すごく納得しています。
こうあるべきといった思考が強いと、その型にはめようとしてみるけど、自分の思うように人は動かなかったりするもので、そうなった時には自分の考え方を柔軟にしてみる方がストレスは少ないなぁと思います。ただ、あまりに相手に合わせ、自分を犠牲にするのも自分を苦しめてしまうだけなので、その塩梅って難しいよなぁと感じます。
そういった意味では、本書で言われているように、「やりたくないことはやらない」であったり、「自分らしく生きるためには、好きななことや、得意なことを徹底的にやるというのも大事な選択」という考え方は必要だなぁと思います。
これもまた、会社員をやっていると難しい場面も出てきますが、忖度しすぎることなく、時には自分を守るための主張もできるようになりたいと思います。うつ病を患ったことを全く肯定できるものではないですが、もともと望んでいなかった競争や出世から解放される気がしているので、周りの目を気にしすぎることなく、自分のこころを大切にした意見を言えるようになりたいですね。自分勝手なヤツになりたいと言っているわけではありませんよ。
第4章 うまくいく人がやっている「割り切る」習慣
第4章では、うまくいく人がやっている「割り切る」習慣にフォーカスし、「人間関係」「発想」「日常生活」に分けて、説明されてます。
人間関係のパートでは、「利害関係がない人は気にしない」、「みんなに好かれようとしない」といったことについて書かれており、これもいくつかの書籍等で見聞きしてきましたが、個人的には意識していきたい部分ですね。誰からも好きでいてほしいとまでは思っていませんが、誰からも嫌われたくない思いを子供のころからずっと持っていたので、少しずつでもいいので変えていきたいですね。
実際に本当に大事な友人は、私がうつ病になったからといって離れていかなかったですし、そういった仲間を大事にすればいいと思えるようになってきています。
発想のパートでは、「今を楽しむ」ことを優先するほうが人生がうまくいくといったことが書かれています。その中で、印象的だった文章がありますので、そのまま引用させていただきたいと思います。
日本人には、「今の苦労が将来の役に立つ」と考える傾向があるため、多少の不満があっても、我慢することが「美徳」と思いがちですが、これは昭和の時代の「負の遺産」ということができます。うまくいく人は、「今の苦労は、将来の成功を約束するものではない」と割り切った考え方をしています。何の保障もないならば、無理して我慢をする必要はなく、「今を楽しむ」と頭を切り替えた方が、人生がうまくいく確率が高まる…と発想しているのです。
私も昭和の人間ですから、我慢が美徳みたいな考え方を植え付けられて育ってきました。だからか、ついつい我慢してしまうのですが、うつ病になって思うのは、体からの痛みのサインが出ているのに、我慢して仕事をすることは、自分にとって何もプラスにならないということです。これは身をもって学びました。
みんな我慢して頑張っているからとか、そんなことは気にすることなく、体の強さは人それぞれだったりするので、自分の心の声が「もう無理!」と言っているのなら、その声に従うのがおそらく正しいと思うのです。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。仕事のことや人間関係のことで、頭がカチコチになっていたり、心に余裕がなくなっている方には、ぜひ読んでいただくといいのではないかと思います。人それぞれ刺さる箇所は異なると思いますが、生きる上での考え方の一つとして参考になるのではないかと思います。少しでも気持ちが軽くなれるような本に出会ってもらえるといいなぁと思っています。私の偏った解釈もあるかもしれませんが、参考になっているようでしたら、幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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