本日は、SBクリエイティブから、2022年に出版されている、益田裕介氏が著者の「精神科医の本音」という書籍について、紹介しようと思います。
1.著者について(経歴等)
益田裕介氏は、東京の早稲田で早稲田メンタルクリニックの院長をされている精神科医です。精神保健指定医、精神科専門医・指導医。防衛医科大学卒。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊仙台病院、埼玉県立精神医療センター、薫風会山田病院などを経て、早稲田メンタルクリニックを開業されています。
2.YouTube「精神科医がこころの病気を解説するCh」がきっかけ
私は、益田氏の存在をYouTubeで初めて知りました。「精神科医がこころの病気を解説するCh」というチャンネルを開設されており、現在登録者が65万人ほどいらっしゃいます。
登録者の数に驚きませんか?
見ている人は、何らかの精神疾患を持っている方やその家族、それからメンタル不調といった人を想像しますが、これだけの登録者がいるというのが、現代社会の生きづらさを表しているように思います。でもこういった発信に救われているのも実感しています。というのも、動画を見ることはメンタル不調の状態でも比較的容易にできるからです。また、精神科や心療内科に通院したり、薬物治療と合わせてセルフケアするうえでも、大変参考になります。病院へ行くだけでは、YouTubeで見られるような情報までは教えていただける時間がありませんので、自分もしくはその家族がある程度は学んだりすることが求められているように思います。
精神疾患は脳の病気と言われますが、自分の考え方を矯正することも時には必要になるため、すごくありがたいことです。益田先生に限らず、他の精神科医の方や患者さんの体験談のような配信についてもとてもありがたいことです。私もうつ病と診断された当時は、どう過ごしたらいいのかわからない状態でしたが、医者と患者双方の情報を知ることで、不安を少しでも取り除ける気がしていました。
益田先生の本書については、Amazonでオススメに表示されたことから読んでみることにしました。本を読むことが難しい患者さんも多いと思いますが、幸いにも私は本なら没頭できたので、正直もっと早く読んでいれば良かったなと思いました。
3.本の内容 これは本音だと思います。
本書については、精神科病院やメンタルクリニックのリアルを語ってくれています。患者目線から疑問に思うことに真正面から答えてくれている本であり、現在メンタルクリニックへ通院中のひとはもちろんのこと、現在メンタルの不調を感じており、精神科・心療内科への診察を悩んでいる方やその家族・仕事の上司や同僚にもおススメできる本です。
私は現在休職中ですが、仕事のなかでは心理士の方と交わる機会もあり、うつ病、双極性障害、ASD、ADHDといった精神疾患について、ある程度知識を入れていっていましたが、病院の実情はあまり知らなかったので、患者自身ではなくても読む価値はあります。正直、知識を入れていても仕事を休むわけにいかないといった心理になるもので、倒れてから気づくことになったわけですが、知識がないよりはあった方が休むことを選択できる人もいると思いますし、精神疾患の診断が出た場合でも自分を受け入れやすかったりすると思います。
本書を読むことでわかることとしては、例えば、「診療時間がなぜ5分+αなのか」、「なぜ精神科医によって診断が変わるのか?」、「なぜ、初診は1か月以上待つことになるのか?」、「診断書ってどういうものなの?」、「なぜ心理士によるカウンセリングにはお金がかかるのか?」、「薬物治療って大丈夫?」といったことについて、赤裸々に書かれています。
私も本書を読むまでは、もっと診察時に話を聞いてほしいなとか主治医に対して思ったこともありましたが、実情を知ることで納得できました。患者側もこれだけは主治医に伝えたいというものがあれば、予め整理して最優先に話せるようにしておくと、有意義な診察になると思います。また、医師はガイドラインに則り診断はしているものの、主となる病気のみを患者に伝える医師もいれば、併発していることを伝える医師もいたりするため、診断内容に差が出たりするそうです。それから、初診枠では確認することも多く、患者一人当たりに必要となる時間が多くなるため、一日に診ることができる初診枠はどうしても限られてしまうこと、そして患者数に対して精神科医の数が足りていないことから、初診に時間がかかってしまう現状があるようです。私は運がいいのかもしれませんが、2件目に連絡したクリニックで受け付けてもらえましたが、1件目に連絡したクリニックでは、2か月先なら予約可といった状況でした。病院の予約が取れない問題があることから、メンタルや体調に不安があり、メンタルクリニックの受診を少しでも考えるのであれば、とりあえず予約しておくことも大切です。軽症のうちに通院することは何一つ悪いことではないと思います。抵抗感のある方もいらっしゃると思いますが、益田先生も「困りごとを専門家に相談しに行く」というようなノリで気軽に考えればよいと本書内で伝えられています。
4.まとめ
いかがでしたか。少しは参考になっていれば幸いです。KindleUnlimitedに加入している方は無料で読むことができますし、YouTubeで手軽に見ることができます。なんか生きづらいなぁとか少しでもメンタルが弱っているようであれば、役立つ内容があるかと思いますよ。多くの方が精神疾患になることなく、健康で穏やかに日々過ごせるといいなぁと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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