本日は、サンマーク出版から出版されている、公認心理士の橋本翔太氏の「わたしが「わたし」を助けに行こうー自分を救う心理学ー」という本を、紹介しようかと思います。
この本では、「あなたを癒せるのはあなただけ。」と述べられています。悩みのすべては自分の心に住む「もうひとりの自分」が引き起こしていると。そしてその「もうひとりの自分=ナイトくん」という心の防衛隊が無意識の一部として誰しも心の中に存在していて、そのナイトくんが、自分を守るために良かれと思って頑張ってくれていることが、人生に問題を引き起こしているというのです。
ただ、このナイトくんは、いままで生きてくる中で傷ついた経験やその傷をひとりで何とかするしかなかった人ほど、強く働く傾向があるようです。自分自身を保つために心の中のもう一人の自分であるナイトくんが体を張って、必死で本当の自分を守ろうとしてくれているというのです。無意識下のことなので、なんのことやらわからない、と思う人もいるかもしれませんが、私はこの本を読んで、確かにもう一人の自分がいるなぁと思いました。体感的なものですが、自分を保つために、でも誰も頼ることができなかった子供の頃は、こころの中の自分と話をしていたように思います。そして、自分なりに、何とかその状況を抜け出そうと頑張っていた気がします。私は一人っ子で育ったため、一人遊びは得意でしたし、内向型な性格もあり、大勢でいるより一人または少人数でいたり、物事を深く考えたり、ボーっと物思いに耽ったりすることが好きな方です。そう、昔から心とは向き合っていたのです。ただ、見て見ぬふりをすることが多かった気もします。本当の自分の気持ちはAだけど、周りがBというので、Bを選ぶ、といったことは子供の頃だけでなく、大人になってからもよくあったし、苦しいなぁと思ってもその気持ちに蓋をしていたように思います。
この本の中では、例の一つとして、時間がないに隠された理由として、結果が出てしまうことを挙げています。結果が出なければ傷つくこともないし、ずっと目標としていられます。時間がないからできないは、ある意味都合のいい理由だったりします。このように一見すると邪魔しているようにみえる働きもナイトくんはするのですが、それは、子供の時に生まれたもう一人の自分であることから不器用な存在だと述べられています。
そして、この本では、実際に「もうひとりの自分=ナイトくん」と向き合うワークや事例の紹介がされています。私の言葉で簡単に要約することは難しいのですが、要は、もう一人の自分と対話し、もう大人になった自分は大丈夫だから、そんなに必死で守ってくれなくてもいいんだよと、幼い不器用なもう一人の自分に伝え、一方でその存在も認めてあげることで、物事がいい方向に進むようになるということです。著者は「問題解決とは、問題を理解し、問題と手をつなぐこと」と述べており、自分自身が自分を愛してあげることの大切さを伝えていると感じました。
心理学が好きな方、メンタルが弱っている方、自分と向き合うことが必要と感じている方などにおススメです。
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わたしが「わたし」を助けに行こうー自分を救う心理学ー [ 橋本翔太 ] 価格:1760円 |
最近、読んだ本の紹介記事です。